この「神・人間・そして・・・」では、僕が在職時代に担当していた高3の倫理の授業を実況中継風にアップしてみます。
僕の教員生活は、教科としては倫理が中心になっていました。
高2では選択で週2時間、高3では必修で週1時間の倫理がありました。
高2の倫理は主に古代思想を扱いました。その内容はこのホームページの「若い人たちのために 高校生の倫理」で、実況中継の形でアップしています。西洋の近現代思想に比べて、古代の思想は素朴ですが力強いものです。多少マニアックな内容を含んでいますが、僕にとっては、自分の問題意識に触れる内容で楽しいものでした。
それに対して、高3の必修の倫理は、西洋の近現代思想を扱ったものでしたが、少し違う状況で行われました。高3の生徒たちは受験を控えていたために、基本的には倫理にそれほど時間を取られたくないと思う人たちが多くいました。中には、内心、何故高3で倫理など学ばなくてはならないのかと思っている生徒もいたと思います。そのような生徒たちに語りかけること、これはむつかしいことでした。授業中に内職をしている生徒に対して、僕は注意をしませんでした。しかし、何とか彼女たちに僕の言葉が届けと思いながら話をつづけました。だから、授業での僕の本当の関心は、授業の内容というよりも、聴いている生徒たちへの、間接的な問いかけでした。この思想家について僕はこのように考えました。そして僕はこのように生きています。皆さんはどうでしょうか。この試みが成功したかどうかは分かりません。しかし、僕自身にとってはチャレンジングな時間でしたし、授業内容についても愛着をもっています。そんな授業をここでは再現してみたいと思います。
注について。
注をかなり多くつけることになりますが、いちいち注を参照する必要はありません。注にはいくつかの意味があります。一つはもちろん参照した文献を示したものです。さらには内容的に著作権にもかかわると思われる部分がしめされます。又は、授業ではそのように話したが、今振り返ってみると少し考えが違ってきたことも注にするかもしれません。さらには、その点に関して、今僕自身が考えていること、あるいは考えたいと思っていることを付すかもしれません。物理的、精神的に余裕があれば考えて文章にまとめてみたいと思っていることです。